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表面からは見えないこと

息子の国語の教科書に「きつねのおきゃくさま」というお話が載っています。
学習のまとめとして、
きつねの出てくるお話を、自分で作ってみよう!
という授業があったようで、
想像力はあるけれど、文章力のない息子は、ダイアナよろしく頭を抱えていました。

きつねが出てくるお話って、たとえば どんなものがあったかな?

ピーター・ラビットに出てくるきつねどん でしょ?
グライ・ラビットにも、きつねが出てきたね。
あひるのジマイマに出てきた きつね紳士でしょ。
けっこう悪者・怖いもののイメージだね。

手袋を買いに行くこぎつねちゃんもいたし、
きつねの嫁入り、あれはちょっと悲しいお話だったよね。

と、とりあえずヒントを出して ほうっておきましたが、後日、書いたものを読ませてもらったら、
実にシンプルなストーリーに仕上がって?いました。

きつねと、つばめと、すずめ(だったかなぁ)と、男の子が、散歩に行く話。
「きつねが、はじめはみんなのこと食べちゃおうと思うんだけど、
仲良しになるお話にしたかったの」
ということですが、そんな記述はいっさいなくて(笑)、本人も遅ればせながら、
それに気がついたようです。
「おれ、全然描いてないじゃーん!おれってバカ~」と申しておりました。


「きつねのおきゃくさま」は、
太らせて食べようと思って連れてきた ひよこや あひるや うさぎを、
かわいがって神様みたいに面倒を見てしまったきつねのお話。
最後は おおかみからみんなを守って、死んでしまいます。


「きつねがかわいそうになるのがイヤだったの。」
という息子のお話は、
特別な出来事も 話のめりはりもなく、散歩した一日が書いてあるだけ。
句読点もめちゃくちゃなら、漢字も使わず、さんたんたるありさまです。
国語の成績としては、最低ランクでは!?



でも、彼がどんなことを書きたかったのか、ゆっくり話を聞くと、
やはり親ばか、かわいいな!と思わずにはいられません。
いつも悪役のきつねが、悪役でなくなるように、
そして最後は、みんな仲良しに、ハッピーになるようにしたかったんだね。


物事の表面からは ちょっとよく分からないこと。
でもちょっと話を聞いてみれば、素敵なことがかくれている、こともある。かも。

子供の良いところを 褒めて、認めて、
さて、それをどんなふうに伸ばしていったらいいのかな、というのが、親が頭をかかえる、
難しい課題でもあります。


「その夜、みんなは静かに眠りました」
という文で終わる息子作のお話。

穏やかで、平和で やさしい一日の後、ぐっすり眠れる幸せを感じました。

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by patofsilverbush | 2013-10-22 08:46 | 子育て

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by anne