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ニンニ

テレビで柳沢慎吾さんがお話しているのを、見ていた息子が一言。
「この人、しゃべりすぎじゃない?」

ええ!? あんたがそれを言う?
同じくらい、しゃべってるよ、と言っても、まさか と信じません。
自覚のなさに 母、驚愕!



ムーミン・シリーズの短編『ムーミン谷の仲間たち』の中に、
『目に見えない子』というお話があります。

一緒に住んでいたおばさんに、毎日毎日「冷たい皮肉」を言われて、
だんだん姿が見えなくなってしまった、ニンニという女の子が、
ムーミン家に連れられてきます。
やさしいムーミン一家と暮らすうちに、足の先から、スカート、首に付けた鈴・・・と、
だんだん見えるようになってきたニンニですが、お顔がなかなか見えてきません。
飛んだり跳ねたり笑ったりもしない、自分から遊びを楽しむ心のないニンニに、
ムーミントロールとミィはがっかり。
「この子は遊ぶこともできないんだ」
「この人はおこることもできないんだわ」

ムーミンほど優しくないミィは、
「あんたには命ってもんがないの?鼻をぴしゃんとぶたれたいの?」
などと言ったあげくに、
そんなことを言われてさえ無反応な彼女に、
「たたかうってことをおぼえないうちは、あんたには自分のお顔は持てません」
と言い放ちます。
うーん、シビア!


子どもの素顔をそのまま愛すること、見守ること、時に成長を促すこと。
ムーミンママの優しさと、ミィの厳しさは、両方とも必要なことなのですが、
そのバランスを取るのは容易ではありません。
途方に暮れることも、泣きたくなることも、しばしば。

ニンニが自分で覚えなければならないこともあり、それを教えてあげることは、誰にもできないからです。
自分に必要なことはなにか、自覚すること
頑張る力
頑張り通す力
心意気というような気持ちは、理屈や説明では教えられない。


どうしたらいいのか思い迷うと、この話を思い出します。
この言い方では、お顔が見えなくなってしまうだろうか?と。


物語の最後。
ママにいたずらをしかけようと思ったパパから、ママを守るべく、
ニンニはパパをのしっぽに噛みつきました。
小さな、怒った顔が見えたのです!

その人の心を動かす出来事。
それはその人だけのタイミングで、訪れるものなんですよね。

ついつい焦ってしまう、わたしの心を、私自身どうにかしないといけません。

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by patofsilverbush | 2014-02-27 09:21 | 子育て

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by anne