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原点!

あなたの原点は?と聞かれたら、
『赤毛のアン』
と答えるくらい、物心ついたころからアンと一緒にいるわたし。

翻訳者である村岡花子さんの 生涯を綴る朝ドラが始まっていますが、
なんとオープニングの映像が プリンス・エドワード島であることに、
初日のわたしは大興奮(笑)。
朝から島へ行った気分になれるだけでも「めっけもの」です。

アンと言えばアニメのあの映像が、目の前にすぐ浮かんできますが、
それとは別に、初めて読んだ『赤毛のアン』も、わたしにとっては大切な一冊。
「少年少女世界文学全集」の中の一冊に、アンの物語も含まれていました。

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もともとは、祖父が母に買ったもので、
専用の本箱に、一冊一冊、箱型のカヴァーに入った本が全50巻、収められています。
アンが含まれるこの一冊は、昭和35年発行、
一冊の定価はまさかの380円で、
訳者はもちろん、
村岡花子さんです。

今では私が受け継いで、我が家の一室にあるこの本箱、
実家では階段を上がりきった突き当りの、小さな窓の下においてあり、
幼かった私はここからよく本を引っ張り出しては、
階段に座ったまま読みふけったのを覚えています。

アンに限らず、
宝の山だった本箱で、大好きなお話は繰り返し 繰り返し読みました。

趣味は読書、
とはいえ、読後にネガティブな感情を抱くような本は、
昔から苦手でした。
その点、少年少女のための読み物はいいですね。
大人になりつつある過程で抱く、理不尽さ、切なさ、憤りやもどかしさの中にも、
希望と 勇気と 生きる喜びと 冒険に満ち溢れていますから。
そして基本的に、とても誠実です。
今でも大好きです、岩波少年文庫。


自分の個室なんてなかったけれど、
その階段の上の、小さなスペースは、
本を読んでいる間、まちがいなく わたしだけの場所で、
本の世界にいる限り、
そこは外国であり、海賊と戦う船の上であり、妖精や小人の国であり・・・果てしない
広大な王国でした。


子供のための本ですので、完訳というわけではなく、
適当にはしょってあったりするのですが、
村岡花子さんの訳は、基本的には言葉づかいも、今の文庫版とかわらず。
ふだん使わないような言葉もたくさん出てきますが、
とくに疑問に思うことも、違和感を覚えることもなかったように思います。


村岡さんだけではなく、
さまざまな翻訳者が、さまざまなお話を訳していますが、
今読んでも、どの本も言葉を崩すことなく、美しい日本語で訳されています。
これらの本で育ったことは、本当に幸せなことだったと、
今でも時々、
ほこりだらけの本を引っ張り出しながら思うのです。

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by patofsilverbush | 2014-04-07 09:44 | 本・映画

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by anne