母の心

佐藤初女さんは、青森・岩木山のふもとで、「森のイスキア」という施設を開設しています。

はじめて初女さんの名前を知ったのは、
妊娠中に読んでいた、高山なおみさんのエッセイでした。
わたしはクリスチャンではなく (クリスチャンになろうとは 思いもしていなかった!)、
初女さんがクリスチャンであることも、
それどころか、どういう“活動”をされているのかも知らなくて、
ただ、「美味しいおにぎりを作るおばあちゃん」ということだけは、
そのエッセイの中で印象的に心に残ったので、

数年後、本屋で初女さんのエッセイをたまたま見かけたとき、
あ、おにぎりの人だ!とすぐに思い出しました。

初女さんの“活動”を説明するのは難しい。
心をこめて作った手料理と、
アドバイスすることもなく、ただ話を「聞く」ことで、
「森のイスキア」を訪れるたくさんの方たちの心に、
寄り添い続けている。
ちょっと聞くと、なにそれ?と思われるかもしれませんが、
心になにか重いものを抱いているけれど、日常の中でうまく吐き出せないこと、
ため込んでしまって苦しくなっていること、
誰に話していいのかわからないこと・・・は、誰にでもあるのではないかしら?
それを、そのぐちゃぐちゃした気持ちを、
ただひたすらに聞いてくれる人は、周りを見回しても、案外いないものです。

初女さんは、「母の心」で、話を聴くといいとエッセイに書かれています。

『受け入れる、見守る、育てる、耐える、赦す・・・それが「母の心」だと思います。

大量生産・大量消費の価値観、高度成長の波に押し流されて、
戦後の日本は 大切な「母の心」を失ってしまったような気がします』

『話を聞いてくれる人、受け入れてくれる場所が足りないことを
不安に思ったり、寂しく感じたりするのは、大人も子供も同じだと思います。
今は家庭だけではなく、職場でも、近所づきあいでも、
この「母の心」が必要になってきています。
女性だけではなく、男性にも「母の心」は必要です』


「わたしはあなたのお母さんじゃないのよ!」なんて、
甘ったれの夫に、妻がキレたりするようなこともありますが、
夫も妻も子供も、それぞれが「母の心」を必要としている、
と まず知るのは、大切なことだなと感じました。

誰にでも必要。
だから、みんながみんなのお母さんのようであればいいのか!
お母さんって、偉大だな~!!


初女さんは、クリスチャンとして、この活動をしているわけではありません。
もちろん、信仰と生活は 本来、切っても切り離せないものですが、
教会を通さない、個人としてのこの活動を、快く思わない方もたくさんいたそうです。
教会、とか、クリスチャン、とかいうことではなく、
個人がどんなふうに生き、どんなことができるのか、自分で考え、実行すること。
そういう、
人としての生き方の指針になるのが信仰ですから、
わたしを導いて下さっているシスターも、
初女さんも、
人として、こうでありたいなぁ
という、わたしの理想の「お母さん」でもあります。
(そしてシスターも、「わたしも初女さんのようでありたいわ」とおっしゃっていました。
みんな影響し合えるのは、素敵なことです)

「お母さん」になるのは、他の何になるよりも大変なことだと
日々、 実感中(泣き笑い、もしくは苦笑)。
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by patofsilverbush | 2014-06-17 09:25 | 生活 | Trackback | Comments(0)

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