宗派 (『赤毛のアン』11章・その1)

夏休みをはさんで ここ数回の『赤毛のアン』クラスは、
第11章・日曜学校の印象  でした。

むかしの児童欧米文学には、よく登場しますね、日曜学校。
日本人の子供にはまったく馴染みのないものだけに、子供の頃は「想像の余地」がありましたっけ!

アン・シリーズには、プロテスタントの宗派がよく出てきます。

キリスト教は大きく分ければ、カトリックとプロテスタントの二つに分けられます。
もともとは、今でいうカトリック(旧教)が、「キリスト教」というものでしたが、
権力や堕落した?生活や道徳観念などに疑問を抱く宗教家たちが、
「それは本来のキリストの教えと反するのではないか」と立ち上がったのが、
清教徒革命などの宗教革命であり、
旧教に対する 新教(プロテスタント)が生まれました。

わ、懐かしい、世界史・・・(笑)。

聖書の言葉をどのように解釈するのかによって、そして民族によっても、
プロテスタントにはさまざまな宗派が生まれました。

当時のプリンス・エドワード島に移住してきたのは、
スコットランド、アイルランド、イングランド、フランスからの人々でしたので、
それぞれの国から、それぞれの宗派を持ちこんで 教会が建てられました。
アンの作者・モードは、スコットランド系の移民ですので、プロテスタントの長老派。
マシュウ・マリラのカスバート兄妹も、アンも、スコットランド系の長老派です。
アン・シリーズによく登場する、その他のプロテスタント宗派にはメソジスト派があります。


本来、キリスト教はキリストを信じ、キリストの姿を通して神を知る人ということですので、
こんなふうに分裂してしまうなんてありえないことです。
現在ではその考えのもと、お互いに対話を持ち、
理解を深めようというような動きも活発化しているようですが、
当時は
宗派が違えば まったく相いれないものであり、
プロテスタントとカトリックの結婚は不可能ですらあったようです。


愛国心や、自国に対する誇り、民族意識の強いスコットランド人の、
強い仲間意識は、
数少ない移住者が 数々の困難に直面した時、
宗教的にも団結して 危機を乗り越えようとする他宗派の人々の気持ちを邪魔するものであった
と私の持っている本には書かれています。

最近の記憶に新しい、スコットランドの独立運動の際にも、
「スコットランド人の9割は、自分のことを“イギリス人”ではなく“スコットランド人”だと言う」
と言っていた人がいましたが、
アン・シリーズにも、
わたしはメソジスト派とは関わりにならない と公言する人、
自分の家がメソジストじゃなく、長老派で嬉しい と自慢する人も登場します。

単一民族(まあ、いわば)である日本人には、なかなか理解しがたい、
民俗意識。
それぞれがプライドや、愛国心を持ち、
どこに住もうと 国に対しての忠誠心を持ち続ける姿は、
日本人の、政治家に扇動されやすいナショナリズムとは全く違うように感じます。
[PR]
トラックバックURL : http://ginnomori.exblog.jp/tb/21146540
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by patofsilverbush | 2014-09-25 08:42 | ferrbirds赤毛のアン | Trackback | Comments(0)

日々のあれこれを綴ります


by anne
プロフィールを見る
画像一覧