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取り組む覚悟

『赤毛のアン』の14章では、
マリラが大切にしている アメジストのブローチが無くなってしまい、
「一番最後に触った」アンを 疑うマリラと、
「取っていない」と言い張るアンの間に、心の誤解が生じます。

「持ち出して無くしてしまったものの、
怒られるのが怖くて、取っていないと 嘘をついているにちがいない」
と思うマリラは、
ブローチが無くなったことよりも、
アンが嘘をついていることに、より心を痛めるのです。


よくあることですよね。
怒られるから 黙っていようと思うこと、嘘をついてしまうこと。

子供が言っていることが、正しいのかも、
よく分からない時もあります。
先生と子供の話が、食い違っているときも。



生きているうちには、
「ここは時間をしっかりとって、じっくり取り組まなくては!」と、
心を決めなくてはならない事柄が、時々、あるかと思います。
仕事のことや、誰かとの関係など。

毎日、昨日の続きのように 子供と暮らしているけれど、
ある時に、やっぱり、
自分が どのくらいの時間をかけて、子供と向き合ってゆくのか、
心を決めた方がよい時も、あるように思います。


きっと、障害をお持ちの方は、すごく強く覚悟することがあるのではないかと思うのですが、
うちみたいに、
ちょっとマイペースが強すぎる子もそう。
ある時、
「しっかりこの人と付き合っていこう」と覚悟した日があります。

マイペースならマイペースでもいい。
ちょっと手がかかるのなら、時間をしっかり取って、つきあっていこう、と。


もちろん、そうじゃなく、
特別 なんの問題もないように思える子だっておんなじで。
子供がトラブルを抱えているとき、
しっかり時間をかけて、一緒にそこを超えてゆこう! と決めなければならない日が、
誰にだって訪れることは、あるわけです。


自分の仕事や、趣味や、楽しみのために 使える時間を、
子供に使うことは、正直言って、めんどくさい。
でも 子供に対して時間を使うことを、
大人はちょっと、おろそかにしすぎているんじゃないかな。と、
最近の 悲しいニュースを見て 感じます。



「取っていない」と強情を張り続け、部屋で泣いていたらしい アンの様子に、
マリラは 可哀想で胸を痛めますが、
しつけを受けてこなかったアンのために、
嘘はいけないことだ と教えなければ、と
心を鬼にして ぐっと我慢します。

怒るって 膨大なエネルギーが必要だし(!)、
そんなこんなで へとへとになってしまうマリラですが、
「鋤に手をかけたからには、うしろはふりまえるまい」
と、聖書の言葉を使って、自分に言い聞かせるのです。



自分についていきたいと言った人たちに対して、イエス様が、
その覚悟を問う言葉として、
聖書に書かれている言葉。

 自分には住む家もない、安住の地もない、
 他にしたいことがあっても、それに背をむけて、
 神さまの言葉を 告げ知らせることに、
 あなたは 自分の時間・思いのすべてを 注ぐことができますか?


とても壮大な言葉を、マリラは口にするのですが、
それだけに、
アンを育ててゆくことに 全力を傾けようと心を決める マリラの、
かたい決心が伺えます。


子供を育ててゆく、ということは、
一人の人を、育ててゆく ということ。
本当はとても責任が重いし、
考えると 怖いことです。

こんなふうに きちんと覚悟すべきことなのかもしれない。


誰だって 自分の好きなことをして過ごしたいし、
子供は 手がかからないでいてくれれば 楽ちん!と思うけれども、
そうじゃない、
やっぱり、人を育てるのは、
時間も手間もかかるのだ(仕事を教えるのだって、そうですよね) ということを、
大人たちは自覚したほうが いいと思うのです。









by patofsilverbush | 2015-03-05 10:08 | 子育て

日々のあれこれを綴ります


by anne