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見方ひとつで

アニメ『赤毛のアン』を見ながら、息子が言いました。
「アンちゃんは扱いにくい子だね」

マリラのブローチを、取った・取らないというお話の場面。
楽しみにしているピクニックを控え、
アンを疑い、怒っているマリラを前に、ピクニックの話をするアン。
その言葉に、さらに怒りを募らせるマリラ。

あるいは、
学校で、日ごろから気にしている赤毛をからかわれて、
かんしゃくを起こし、からかった男の子の頭を 石板でなぐりつけ、
先生に立たされたり、
さらに遅刻で罰を受けて、
登校拒否をしてみたりするアンに、途方に暮れるマリラ。


そんなマリラの気持ちを、客観的に観察しての、息子の言葉でしたが、
「あ~あ、そんなこと言うから、余計マリラがおこっちゃうんじゃん!」という、
いかにも ことなかれ主義な息子らしい観察と、
自分だって、人によっては「扱いやすい」とは言えないのになぁ~。
お前が言うか
的な発言に、思わず笑ってしまいました。


2年生から、3年生の前半にかけては、
息子に関しての心配ごとが、あとをたちませんでした。
1年生、いや、もっと言えば、幼稚園時代から、
マイペースだけど、大丈夫なの?この人は。
という心配は ずっとありましたが、
2年生の時の担任の先生が、まじめ一筋だったせいか、
「あんなことも、こんなことも、みんなができているのに、できませんね」
というようなことばかりで、
正直言って、先生の見方にふりまわされた感は 否めません。

自宅にいる息子を、わたしの目から見ると、
まあ、できないことはいっぱいあっても、大丈夫。 に思えるのに、
周りと比較すると、年相応にできていないらしい ことに、
ものすごく焦りもし、
先々のことも心配になり、
「どうして何度言っても分からないのっ!」と 
感情的に叱ってしまうことも、しばしばでした。


あることがきっかけとなり、「この人のペースに、ゆっくりつきあうか」
と、心を決めた時に、
ものすごく気が楽になり、
たぶんその時に、少しだけ、神さまへの思いも 深まったような気がします。


求めなさい。そうすれば 与えられる。
探しなさい。そうすれば 見つかる。
門をたたきなさい。そうすれば 開かれる。

あなたがたは悪い者でありながらも、自分の子供に良いものを与えることを知っている。
まして天の父は 求める者に聖霊(一番良いもの)を与えて下さる。
                               (ルカ11-9~)


素直で、のびのびしている この子の、一番よいところを 委縮させてまで、
与えるべきことは、何もない。
♪神さまが間違えるはずがない、こんなふうに生まれついた、わたしは完璧!
と レディ・ガガも歌っていますが、
本当にその通りで、
神さまがご用意して下さる最上のものを、信頼しよう、
わたしが心配したって、神さまがご用意して下さるものには、とうてい及ばないのだから。
神さまが信頼しなさいと言って下さるものを、信頼しないで、
他に何を信頼するの。
と思ったとき、とてもとても、心が安らかになりました。

ゆっくり じっくり、息子に時間をとることを覚え、
それについて、まわりから色々批判されることも、気にするのをやめ、
同じ年頃の子と、成長の度合いを比べることもやめ、
先生に言われることを、気にすることもやめ。


周りの情報を ある程度、遮断したり、聞き流したりしましたが、
無駄にいらいらすることもなくなり、
息子のペースに、ゆっくりつきあえるようになりました。



そしたら、3年生の後半は、
息子の、息子らしさを「まあ、いいか」と思って下さる先生のおかげもあって、
2年生の時の、あの通知表は何だったの?というくらい、
成績もあがって(笑)。
別に優等生になったわけではなく、
ただ「ふつう」な感じになっただけですが(笑)、
わたしも、パートナー氏も、「うそ~、すごいじゃ~ん!!!」と 
単純に大喜びしてしまいましたわ(笑)。
ハードルは低め設定の方が、喜びは大きいですねぇ(しみじみ)。


もちろん、日々、いろんなことが起き、
その都度、「もう~!!!」と爆発することは変わらずなのですが、
そして、
この先だって、なにも問題が起きないわけではないでしょうが、
周りと比較したり、年齢で成長をはかることをせず、
目の前の、
神さまがお作りになったままの彼の、
神さまと彼が、彼仕様に設定した 成長の度合いに フォーカスしなさい、
と 神さまがおっしゃってくださったことで、
息子はわたしとって、
「扱いにくい子」から、「扱いやすい子」に変わったわけです。


彼が変わったわけじゃなく、私の見方が変わっただけで。



ずっとのちになって、マリラもアンに、言っています。

あの頃は、人の生き方はひとつしかないと思っていたけれど、
人によって、生き方はいろいろあるんだね。
あんたを育ててみて、わたしにもそれがわかったよ。と。


自分の思う通りの子になるように、育てようとしていたマリラは、
ちっとも自分の思う通りの子にならない 、そのままのアンを、
愛しているんだと気がついたんですよね。


息子もアンも、型にはまらない、
生き生きした、おもしろい、やさしい子です。


神さまが どんな道をご用意して下さっているのか、
歩いてみなければわからない。
ひとりひとり、違う道です。
立ち止まったり、回り道しながら、
さまざまなことに触れ、感じ、豊かな日々を過ごせたら、
こんなに幸せなことは、ないのだと、
今は同じ道を、おしゃべりしながら歩く息子を見ながら思います。














by patofsilverbush | 2015-04-26 09:45 | 子育て

日々のあれこれを綴ります


by anne