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モンゴメリ短編の魅力

『赤毛のアン』シリーズが有名なモンゴメリですが、
長編小説だけではなく、
珠玉の短編小説も たくさん書いています。

子どものころは、
ストーリーの続きが気になる長編のほうが好きでしたが、

大人になるにつれ、
短いお話に表現される、彼女の思想やテーマに、
改めて魅力を感じられるようになってきました。


「人が真に興味を持つのは、誕生、恋愛、結婚、死だ」
と言っているように、
彼女の物語は 日常に起こるそれらの事柄を描いていますが、
いっけん平凡な、誰もが体験するようなその日常が、
なんてドラマチックなのだろう!と、
長編・短編を問わず、いつも思います。


若い人の ロマンチックな恋愛ドラマや、
若者には滑稽に見える(アンも影では笑ってしまう)中年の恋愛模様。
孤児の子供たちが、真に愛情ある家族を持つまでの物語。


それらハッピーエンドを迎えるストーリーは、
彼女の、起承転結がはっきりした描き方と相まって、
いっけん、
予定調和な、結末の見える、単純な「おはなし」とも思えますが、
人生のお話として、それ以上に素晴らしいことってあるかしら?

誰でも、単純に 幸福な暮らしや人生を 望んでいるのだから。


もちろん、随所に含まれる、モードの痛烈な批判や皮肉まで読み取れば、
ただ単純な 甘いだけのお話ではなく、
やはり誰の生活や人生にも含まれる、
人の愚かしさや痛み、滑稽さや、単純な笑いに触れることができる、
まさに天使ではなく、この世の生を受けた、人間の物語だと思うのです。



そんな彼女の短編から、
いくつか、好きなものをつれづれにご紹介していきますね。









by patofsilverbush | 2016-01-15 09:58 | ferrbirds赤毛のアン

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