いつくしむ

高校の頃はお弁当でしたが、
母が時々詰めてくれる、
深さのあるお弁当箱が 好きではありませんでした。
ふだんはサンリオのキャラクターのついた、
かわいい二段式のお弁当箱でしたが、
どんぶり物のような“のっけ弁当”のときに登場する、
朱塗り・和風の まるくて深さのある
わっぱのようなお弁当箱は、
まったく “イマドキ” でない女子高校生的にも
え、これ。
なお弁当箱だったのです。


朱塗りのわっぱといっても、もちろん漆塗りなどではなく、
ただのプラスチックでしたが
どうやら朱塗りのものが好きらしい 母の渋好みなど、
まったくわからない、深みのないムスメでした。
若いって そんなものですよね。




この年になり、
ようやく和のものの しみじみした良さがわかるようになり、
『赤毛のアン』や、イギリスの邸宅風のインテリアに憧れる
夢見る少女であったわたしの 今のすまいは、
和洋折衷で折り合いがついております。



華やかな洋食器なども ほとんどなく、
ティータイムはもっぱら、
シンプルなカップ&ソーサーやフリーカップ。
愛用のスナフキンのマグカップが
洋食器といえば洋食器かな(笑)。



そんな和食器のなかでも、
毎日のお味噌汁やスープに使っているのは、
漆の方口椀。

数年前に長野に行ったとき、木曽で購入しました。

木曽漆の 素敵にお高いものでは、残念ながらもちろんなく(^^;)
B級品のお買い得商品。
それでも、漆塗りかぁ✨と感慨深く、
大事に使おうかな、とも思ったのですが、
せっかく気に入って買ったものは、やはり日常の中で使いたい派。
日々の食卓に、朝に晩にと登場する、
無くてはならない器となっています。


食洗器はどちらにしてもないからいいけれど、
お水につけっぱなしにしないように、
洗ったらすぐに水気をふき取って・・・
と、漆塗りは ほんの少しのめんどうくささや、気づかいが必要な
それなりに気を遣う器です。
まったく何も考えず、
洗っては拭き、使っては拭きしていたのですが。


ある日、
何気なくクロスで拭くだけではなく、
きゅっきゅっと磨くように拭くと、
なんだかいつもより、つややかな光沢があるような気がすることに
気がつきました。


気のせいかも?
いや、気を入れて磨くのと、ただ拭くのとでは、
やっぱり違いがある気がする!

気を入れるのは、やっぱりそれだけで「ひと手間」。
でもたぶん、時間的には 大差ないことなんですよね。


毎朝 きゅっきゅっ!と拭きあげて、
つややかな赤を楽しむと、
気分の上がらない朝も 元気をもらえるように思います。


物に宿る命っていうけれど、
使って、愛おしんでいるうちに、
宿る命であるような気がしました。
いつくしむって、素敵な言葉ですね。


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by patofsilverbush | 2016-04-22 10:56 | 生活 | Trackback | Comments(0)

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