焼き菓子

雑誌に載っていた とか
有名なパティシエのいるケーキ屋さんとかに行きたいなぁ
と思うことって まったくないのですが、
一度だけ、
「この人のお店に行ってみたい!」と思い、
連れて行ってもらったことがあります。

作家であった故・森村桂さんが 軽井沢にオープンされていた、
アリスの丘ティールーム。
子供の頃、桂さんの『魔法使いとお菓子たち』を
幾度 図書館で借りて読んだことか!

家族旅行で軽井沢を訪れた際、
両親が連れて行ってくれました。
いつもお店にいらしたのかはわかりませんが、
私たちが訪れたときには、桂さんご本人がいらっしゃって。
ご本人にお会いできた、ということはもちろん、
なんでもかんでも、恥ずかしいお年頃(中学生)で、
「そんな図々しいコト頼めない!」と もじもじ?する私のために、
母が 桂さんのレシピ本にサインをお願いしてくれ、
桂さんもにこにこと サインを書いてくださいました。


「有名人にサインをもらう」なんて経験をしたのも、
あの時だけです。





桂さんのケーキと言えば、デコレーションしたものではなく、
質のいい材料を使った、あまり甘くない、
シンプルな焼き菓子。
中でも「わすれんぼうのバナナケーキ」が有名でしょうか。
わが実家でも たびたび母が作ってくれましたし、
そのおかげで、わたしたち姉妹は 
家を出た後も、
それぞれの家庭で、
このレシピ通りではなくとも、
このレシピを基にした、独自の配合のケーキを
焼いているのではないかしら。



わたしがいつも作るパウンド型のケーキも、
もちろん 桂さんのレシピがおおもとにあります。
実際はまったく違うので、
筋金入りの 桂さんファン!!
という方がいらっしゃったら、怒られてしまいましょうが
(スミマセン💦)
シンプルに、甘くなく、具をたくさんいれたい、
入れる素材の甘さによって、お砂糖の量を変更したい、
香料はエッセンスではなく、お酒で、
と、いまだに思うあたりが、
『魔法使いとお菓子たち』を熟読玩味した 少女の日の名残りといえます。


パウンド型なんて使わずとも、
天板に流して平たく焼くと、
中に入れたかぼちゃなんかが ごろごろ見えたり、
きらきらと透けるような煮林檎をのせたりするのも好きです。



天板に流して平たく焼いた、桂さんのバナナケーキ。
あの日 いただいたはずなのですが、
残念ながら味の記憶はほとんどなくて。

いつか また行ってみたいなぁと思っているうちに、
桂さんもお亡くなりになり、
ティールームもなくなってしまいました。


あの日の感激だけは きらきらと残っている。
気負わずに、日常の中で、
失敗したって きっとおいしくなると教えてくれた、
それが わたしの中の、「桂さんのレシピ」です。










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by patofsilverbush | 2016-05-08 11:13 | 生活 | Trackback | Comments(0)

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