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港のある心

本を読む子供になってもらいたい、と希望する親御さんも多いようですが、
活字も中毒性があるのではないかと、実は秘かに思っています。
電車やお風呂、ちょっとした空き時間に、
何か読むものがないといられない!ということもよくあるので(苦笑)。
いつでも、どこにいても、
読んでいる本の世界へトリップできるのは素晴らしいことではありますが、
なにも読むものを持っていないときの、時間を持て余す感は、
あまり褒められたものではありません。

とはいえ、
わたしもやっぱり、子どもには
本を読むようになってもらいたいと思っていました。
頭がよくなるとか、情緒によろしいとかいうことではなくて、
だってただただ、ワクワクするでしょう?
実在する国であれ、
目にはなかなか見えない、ベールの向こうの世界であれ、
一瞬で出かけられるなんて。

本を読む子供になってもらいたくてしたことといえば、
本を読んであげることと、
ゲームを買わないことでしょうか(笑)。
手に入りやすい安易な刺激を与えれば、
誰だって「簡単で楽しいほう」に向かうと思うけれど、
活字を読む楽しさは、わかるまでちょっと時間がかかる。
ただ「読みなさい」と言うだけではね。
子どもにしてほしいことがあるのなら、大人の配慮もやっぱり必要です。


子どもが本屋さんで選ぶ本については、
あまりなんのかんのと言わないようにはしてますが
(たとえそれが「・・・・・・・」と思われる本でも)
読んであげる本は “ベストセラー”ではなく、
“ロングセラー” といわれるものがほとんどです。
売れてるからと言って「心になる本」だとは限りませんが
(あんがい、そうでないものが多いような気もします)
長く読み継がれているものは、ほぼ間違いなく、心の糧になる友達です。
表現が多少古くても、ストーリーが面白ければ子供はちゃんと
物語の世界を楽しんでくれます。


自分で読む本もそうですが、子どもも同じで、
たとえ自分で選んだ本でも、
なんとなく ぴんとこない
やっぱり まだちょっと難しかった
読んでみたら 思ったよりおもしろくなかった
などなどの理由で、最後まで読み切れない本も、実はたくさんあります。
コナン・ドイルの『失われた世界』とか、ルパン・シリーズは、
たぶん何回かチャレンジして、そのたびに途中になってる(笑)。
でもそれはそれで、いいかなぁと思うのです。
いつか読んで、オモシロイと思う日が来るかもしれない。
こなくても、「ピンとこない本もある」ということ。
そうやって、自分で選んだり、読んでもらったりしながら、
「ピンとくる本」が選べるようになればね。


知識を得る、というよりも、
やっぱり本って、心の港みたいなものだと思います。
嵐がきても波が高くても、停泊できる。心が帰ってゆける場所。
そんな港のある心が育つといいなと思います。






by patofsilverbush | 2017-06-17 10:42 | 子育て

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by anne