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山の時間

今どき珍しく、運転免許証のない私は、長野の家へ行くと自力では外出できません。

なにしろ、国道に出るまで車で下ること10分。山道の県道にはコンビニひとつなく、
徒歩圏内にあるものと言えば、その県道を散歩がてら30分ほど登ったところにある、
郵便局と公民館くらいでしょうか。


熊の目撃情報があり、イノシシはもちろん出るしで、
でくわしちゃったら怖いな~・・・鹿だったら見たいけど(鹿も、もちろんいるらしい)、
と思いつつも、
体力をもてあまし気味な息子の運動も兼ね、何度か、郵便局まで登山?してきました(県道ですがね)。
お客さんが一人もいないので、たくさんある記念切手を、ファイルを眺めながらゆっくり選ぶことができます。
のんびりしてるって素敵。

自宅と違って本が手近にたくさんあるわけでなし、
趣味の道具もないし、やや退屈になってきて、いい加減、帰宅しようかなぁ・・・
と何度か思ったのですが。


よく考えれば、わたしの子供のころの夏の記憶は、
すべて祖父母の家での記憶なのでした。


息子と違ってひとりでいても平気だったわたしは、子供のころ、一人で祖父母の家に泊まっていました。
たくさん甘やかしてもらって、適当にほうっておいてもらえて、
子供の目には広く思えた庭や、畑の中の道、
夜になると自宅よりも真っ暗になる庭の闇、時々通る電車や踏切の音、
少しだけ怖いような、でもそれは圧倒的に鮮やかな夏の記憶。


きっと息子がもう少し大きくなってしまえば、彼の予定も増え、
こんなに長いこと家を離れていることはできないでしょう。
両親も元気で、息子もめいいっぱい、遊びの時間がとれて。
そんなタイミングは、もしかしたら今のうちだけなのかもしれません。

そう思ったら、とても貴重な夏に思えてきました。
無理に忙しくすることも、活動的になる必要も、ないんですよね。


大きくなったとき、息子の記憶の中にどんなことが残っているかはわからないけれど、
その年その年で、過ごせる時間は違う。
いつも同じように、同じスタイルで過ごさなくてもいいんだなって。


今年の夏は、わたしにとってもすいぶんのんびりした夏になりました。
いまだ山時間、というか、山のペースが残っています。

 
ざわざわしていない。
余計なもので、いっぱいになっていない感じ。

このままこのペースでも、いいような気がしています。
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by patofsilverbush | 2013-08-31 15:36 | その他 | Trackback | Comments(0)

ふとした瞬間

両親が長野へ引っ越したのは、10年ほど前のことです。
山の見える土地で暮らしてみたい
という話を、冗談半分に聞いていたのですが、まさか縁もゆかりもない土地に、本当に引っ越すとは!

引っ越しとは無縁で、結婚するまでずっと実家暮らしだったので、
よその土地に暮らす、ということが、いまいちピンときませんでした。

でもその時を境に、人生なんでもありだな!と思うようになりました。
元気な時には、誰が何と言おうと好きなことをしなきゃね!

というわけで、わたしにとっては突然、長野にご縁ができたわけです。
乗ったこともなかった新幹線にのって、年に2回3回と、遊びに行く場所ができました。
出産も長野でし、この夏休みももちろん、「田舎」へ行ってまいりました。
長期滞在すぎて、もはや遊びに行くというより、居候生活というレベル(笑)。

長野市内とはいえ、両親宅は山を15分ほど登った小さな集落の中にある古民家です。
急な斜面に寄り添うように建つ数軒の家々、その一番手前に建っているため、窓からは他の家は1軒も見えません。
眼前に迫るのは、夏山の緑ばかり。
あちこち遊びにも行き、温泉に浸かってまったりしながらUFOを目撃したりもしましたが、
日常生活ももちろんあるわけで、暇なときは庭の草取りなどして過ごしました。
もちろん庭も斜面です。崖の上にいるカモシカの気分。

しっかり育った(生い茂った?)雑草を抜いていると、草むらの中にたくさんの小さな虫がいることに気がつきます。

虫は大の苦手なのですが、庭にいるときはまた別。
虫の領域だからしょうがないな~とあきらめて、あまり気にしないのですが、
ふと、交尾している小さな小さな虫に目がとまりました。
照りつける日差し、勢いよく育つ草花の中で、なんだか生きていることそのもののエネルギーを感じ、
しばし手を止めて眺めてしまいました。

生きていることが楽しいとか辛いとか、そういう感傷はいっさい抜きで、
ただ命のままに、あるがままに生きているということ。
ものすごくシンプルで、一生懸命という言葉さえない、
「今」この瞬間を「生きている」、ただそれだけの力強さに圧倒されました。

こういう生活がしたいとか、どんなふうになりたいとか、頭で考えてばかりいて、
今日、生きてる!ってシンプルに思うことなんて忘れていたかも。

秋になれば死んでしまうのかも知れない虫たちに、
命の力強さや、あたりまえに生きることの重みに、気づかせてもらえた瞬間。
こんな小さな、いろいろな一瞬を積み重ねて、わたしたちの一生はできているんだということも、
改めて感じた瞬間でした。
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by patofsilverbush | 2013-08-27 11:19 | その他 | Trackback | Comments(0)

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by anne
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