適正価格

よく行くお洋服屋さんで、素敵なカシミアのセーターを見かけました。
シンプルだけれど可愛くて、思わず手に取ったら、
その手触りにうっとり。
最近では、某大型衣料店でも お手軽な価格のカシミアセーターを売っていますが、
全然手触りが違う!
もちろん、お値段も大きく違っていましたが・・・(笑)。
目と手と心の、保養になりました。


お店のスタッフの、可愛らしい女性と、
「あのカシミアは、どうしてあんなに安いんですかね」という話になったところ、
彼女が、
「働いている人は、どんな過酷な労働条件で働いているんだろう~と思ってしまいます」
と、何気なく言った一言に、ああ・・・と思いました。

物が出来上がるまでには、さまざまな工程があります。
その工程ひとつひとつに、たくさんの人の手があって、はじめてお店で並ぶ商品になる。

わたしたちは、商品を見て、商品そのものの価値と値段を照らし合わせて買い物をしますが、
その向こうにある、製作者、生産者の手間や苦労、愛情のことには、
無頓着だったりします。

「どうしてこんなに高いんだろう?」
と思う商品も、その背景を考えると、すごく適正だなぁと思ったり。
(買えるか買えないかは別としても・・・)

大量生産で、なんでも安く買えてしまうし、食事もできてしまう昨今、
わたしたちは、お手間に対してお金を払うということに、すごく抵抗があるような気がしますが、
手間をかけて、大切に作られたものをが、
あんなに安い値段なわけは、確かにないのでした。
そして、それがそんな値段で売られている以上、過酷な労働条件で働く人たちが、
確かにいるということなのですね。


自分の労働価格が、適正なのかどうか。
と考えることと、
商品の向こうにある人の、労働価格が、適正なのかどうか。
と考えることは、
きっと同じ。



お洋服でも、お野菜でも同じこと。
お買い物の際、それが適正価格なのかどうか、の基準が、
少し変わる気がします。
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# by patofsilverbush | 2013-11-05 16:39 | Trackback | Comments(0)

できあがり!

ここ数日、暇を見つけては刺していたハンカチが、できあがりました。

フォークロアなイメージの刺繍は、ハンガリーのカロチャ刺繍。
もっとはっきりした色味で刺すと、さらにフォークロアな可愛いイメージになりますが、
こんな色を使うと、ちょっと大人っぽくなります。

ふだんは色味をおさえた、単色使いの刺繍や、
ワンポイントの小さなものを刺すことが多いのですが、
このカロチャ刺繍は別。
カラフルに、いろんな色を使って華やかに刺したくなります。

こういう図案、なのではなくて、
お花を一つ一つ、全体のバランスを見ながら付け加えていくのが好きです。
そうすると、いろんなお花をどんどん付け加えたくなってしまうのですが、
使い勝手を考えると、こんなものかなぁと自制。

春や夏に、大地や空の恵を得て、生き生きと咲き誇る花だからか、
刺していると、本当に幸福な、豊かな気持ちになります。

だから、自分にも、その花に負けないだけのエネルギーがないと、
刺せないような気もします。

20センチ四方の小さな布。
裁断して、四方を縫って、縫い糸の始末をして、刺繍をして、洗いをかけて、アイロンをかけて。
「できあがり!」となるまでに、ずいぶんたくさんの工程があるもんだな
と、ものを作ると思います。



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# by patofsilverbush | 2013-11-05 15:59 | Trackback | Comments(0)

衣装

バレエを続けていて、なんといっても楽しかったことは、
可愛い衣装が着られることです。

「トゥシューズに憧れてた~」と、大人になって知り合った方に言われることも多いのですが、
毎日履いていると、単純に普通の靴と同じ感覚になります。
スニーカーとか、スパイクとかと同じ。
ハイヒールを初めて履いた時の方が、怖かったなぁ。

その点、衣装は、踊りによっていろいろ変わるし、
「この踊りの衣装はどんなのかな」と想像しただけで、楽しかった。

自分の持ち衣装ではなく、お教室の備品、という形にはなるのですが、
自分のサイズに合わせて作って頂く 新品の衣装は、ことさら嬉しいものでした。

「白鳥の湖」などでも有名な、足がすらりと出る短いチュチュ。
胸元にふんだんに縫いとめられたスパンコールが きらきらするうえに、
さらに大きなラインストーンのブローチや イヤリング、冠やティアラまでつける、
お姫様の衣装はもちろんのこと、
「ジゼル」や「コッペリア」のような、
ふんわりスカート・ちょうちん袖の 村娘の衣装も 大好きでした。
こちらは きらきら、というよりは、
お花の刺繍がふんだんに刺してあったり、花飾りを髪に付けたりして、
とても素朴で可憐。


ひとつひとつ、丁寧に手作りしてくださる衣装の数々を着せて頂いたことは、
本当に贅沢で、幸せなことでした。

もちろん、お借りした衣装でも同じことです。
自分のボディにぴったり合うように、背中のホックを付け替えたり、
髪飾りのお花の角度を、あれこれためしてみたり。
いしょうだけではありません。
お稽古着のレオタードだって、胸元をピンで縮めて、いかにボディラインが美しく見えるかを工夫したり。


美しいものに触れ、装うことの楽しみを教えてくれたのが、
バレエだったような気がします。
つくづく、過去のいろんなことで、自分は形作られているんだなぁと思う、今日この頃。


可愛いカロチャ刺繍を刺しながら、急に そんなことを思い出しました。

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# by patofsilverbush | 2013-11-04 14:50 | Trackback | Comments(0)

家族

先週は、パートナー氏のご家族みんなで、食事をする機会があったり、
わたしの両親が、旅行のついでに我が家に立ち寄ったり、
と、ふだん一緒に過ごすことのない家族が集まった
とても賑やかな週でした。

シスター方のお昼ご飯にご一緒させていただいたりもして、
いつも誰かがそばにいるような、珍しい一週間だったなぁ。


どちらの両親も同じですが、一緒にいると、
え、もう、大人なんですけど、ワタシタチ・・・
というような場面にぶつかることが、よくあります。

「口出ししないで、指図しないで」と思うことと、
「昔と同じだな~」と思わず笑ってしまうことと、同じくらい。

私もパートナー氏も、大事に育てられたということです。

あたたかい家族の歴史があって、
だからこそ、え!?と思ったり、ほほえましいエピソードがたくさんあったりする。
思いやりを持って口に出さないことも、家族だからこそ、口出ししたくなってしまうことも。

うっとうしいとおもうことも、ままあるけれど、
祖父母から、両親から、受けてきた愛情が、
今は息子にも注がれているんだなぁと思う。

こんなふうに子育てできているのは、本当に幸せなことです。
それを、当り前のことだと思っていたけれど、
当り前だと思えるくらい、ふつうに、あたたかい家庭で育ててくれた、
愛情深いわたしたちの両親に、本当に感謝しています。
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# by patofsilverbush | 2013-11-04 10:10 | Trackback | Comments(0)

マイペース

ディズニーランドの、ウエスターン・リヴァー鉄道に
乗ったことはおありですか?
開拓時代のアメリカ西部を走る鉄道。
ローラ・インガルスが生きていたのは、まさにあの時代のアメリカでした。


ローラは、「シルバーレイクの岸辺で」の中で、
初めて汽車に乗った時のことを、こんなふうに書いています。

「一週間がかりだった旅を、たった一日、それも午前中に終えてしまった」

それまでのローラ一家の旅といえば、馬車でした。
幾週間もかけて、幌馬車で、無人の大地を旅する日々。
馬車のまわりで火を焚き、料理し、食事をし、時には洗濯もし、眠り、
朝になると また馬車に乗ってひたすら無人の草原をはしる日々。
だから目的の「大草原」に着き、父さんが作った、すきまだらけの丸木小屋の家に入ったとき、
母さんは大感激するのです。
「また家の中で眠れるなんて、なんてすばらしいんでしょう」

何もない草原を、ただひたすら、馬車に揺られていくのは退屈です。
身体もだるくなり、ローラは走り回りたいのをぐっと我慢したまま、毎日揺られていました。

鉄道の旅は、ほんとうにあっというま。
今なら、車も電車も新幹線も飛行機もあって、
それこそ何カ月もかかっていた海外への船旅も、たったの一日で終わってしまいます。
たった一日で、地球の裏側まで行かれちゃうなんて!

便利だし、素晴らしい。
時間も有効に使えます。
でも、たぶん、身体も心も、そのスピードに追い付いていないような気もします。
だって時差ぼけ。だってカルチャーショック。

心と身体がぴったり一致したまま、移動できる速度って、どのくらいかしら?
歩き?自転車?馬車?
いやいや、車なら、ついていけないことはないのだけれど。

足もとに咲く花や、風に揺れる草、木々のざわめき、鳥の声を 感じられるくらい。
街中ならば、素敵なウィンドーやカフェを見つけて、ちょっと寄り道できるくらい。
わたしには、やっぱり そんなな速度があっているかな。


マイペースは、本当に人それぞれ。
だからこそ、時々、これは本当に自分のペースなのかということを、
考えてみることの必要を感じます。

あなたは どんなペースがお好きですか?
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# by patofsilverbush | 2013-10-31 08:33 | | Trackback | Comments(0)

林檎と恋

林檎ジャムを作りました。
10個の紅玉りんごの皮を、ひたすら剥いて刻んで・・・
お鍋を火にかけたら、なんていい匂い!
かなりハッピーな作業です。

数ある果物の中で、一番好きなのは林檎です。
桃ほどスウィート過ぎず、苺ほどラブリー過ぎない
しゃりしゃりと爽やかな甘さが好き。
赤くてまるい、ルックスもかわいい。

だからかどうかは分かりませんが、
林檎をよんだ、二つのうたも好きです。

一つは、教科書にも出ていた 島崎藤村の「初恋」。



やさしく白き 手を延べて
林檎を我に あたへしは
うすくれないの 秋の実に
ひと恋そめし はじめなり


という2連と


林檎畑の 樹のしたに
おのずからなる 細道は
誰がふみそめし かたみぞと
問ふたまふこそ 恋しけれ


という4連 (1連と3連も素敵です)。
林檎の甘酸っぱさと、可憐さが、初恋の、
緊張感のあるときめきや
胸が苦しくなるようなせつなさ
なんかにぴったりです。


もう一つは、北原白秋の和歌。


君かへす 朝の敷石
さくさくと 雪よ林檎の香のごとく降れ





不倫の恋を歌ったものだそうで、
一晩を過ごした家を出て、玄関扉から門まで続く敷石の上を、夫のもとへとかえっていく恋人の
肩にふりかかる雪や
その背中を見つめる人が、目の前に浮かんでくるような、
詩情にみちた歌です。

こちらもやはり、どろどろした不倫の背景よりも、
ただ お互いをどうしようもなく愛おしく思う気持ちや、
それでも帰らなければ、帰さなければならない苦しさ、せつなさが、
林檎の持つ爽やかな、あまやかなイメージで 美しく想像されます。


ジャムを作るという、きわめて家庭的な作業のあいまに、
恋について、
しばし思いを馳せた、
文学的な時間でした。


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# by patofsilverbush | 2013-10-30 11:42 | 生活 | Trackback | Comments(0)

日々のあれこれを綴ります


by anne
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