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ふとした瞬間

両親が長野へ引っ越したのは、10年ほど前のことです。
山の見える土地で暮らしてみたい
という話を、冗談半分に聞いていたのですが、まさか縁もゆかりもない土地に、本当に引っ越すとは!

引っ越しとは無縁で、結婚するまでずっと実家暮らしだったので、
よその土地に暮らす、ということが、いまいちピンときませんでした。

でもその時を境に、人生なんでもありだな!と思うようになりました。
元気な時には、誰が何と言おうと好きなことをしなきゃね!

というわけで、わたしにとっては突然、長野にご縁ができたわけです。
乗ったこともなかった新幹線にのって、年に2回3回と、遊びに行く場所ができました。
出産も長野でし、この夏休みももちろん、「田舎」へ行ってまいりました。
長期滞在すぎて、もはや遊びに行くというより、居候生活というレベル(笑)。

長野市内とはいえ、両親宅は山を15分ほど登った小さな集落の中にある古民家です。
急な斜面に寄り添うように建つ数軒の家々、その一番手前に建っているため、窓からは他の家は1軒も見えません。
眼前に迫るのは、夏山の緑ばかり。
あちこち遊びにも行き、温泉に浸かってまったりしながらUFOを目撃したりもしましたが、
日常生活ももちろんあるわけで、暇なときは庭の草取りなどして過ごしました。
もちろん庭も斜面です。崖の上にいるカモシカの気分。

しっかり育った(生い茂った?)雑草を抜いていると、草むらの中にたくさんの小さな虫がいることに気がつきます。

虫は大の苦手なのですが、庭にいるときはまた別。
虫の領域だからしょうがないな~とあきらめて、あまり気にしないのですが、
ふと、交尾している小さな小さな虫に目がとまりました。
照りつける日差し、勢いよく育つ草花の中で、なんだか生きていることそのもののエネルギーを感じ、
しばし手を止めて眺めてしまいました。

生きていることが楽しいとか辛いとか、そういう感傷はいっさい抜きで、
ただ命のままに、あるがままに生きているということ。
ものすごくシンプルで、一生懸命という言葉さえない、
「今」この瞬間を「生きている」、ただそれだけの力強さに圧倒されました。

こういう生活がしたいとか、どんなふうになりたいとか、頭で考えてばかりいて、
今日、生きてる!ってシンプルに思うことなんて忘れていたかも。

秋になれば死んでしまうのかも知れない虫たちに、
命の力強さや、あたりまえに生きることの重みに、気づかせてもらえた瞬間。
こんな小さな、いろいろな一瞬を積み重ねて、わたしたちの一生はできているんだということも、
改めて感じた瞬間でした。
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by patofsilverbush | 2013-08-27 11:19 | その他 | Trackback | Comments(0)

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