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ボレロ

週末は息子の乗馬へ。
馬の名前がANNEで!
たくさん撫でなでして、癒されてきました~♪

という前置きとは、なんの関係もないのですが(ただANNEだったから。それだけ)、
きのうは久しぶりにユーチューブで「ボレロ」を観ました。


ラヴェル作曲「ボレロ」に、鬼才ベジャールが振りをつけた、現代バレエの名作です。
今回観たのはシルヴィ・ギエムが踊っているもの。

初めてみたのは いくつのときだったかなぁ。もちろん、ジョルジュ・ドン ヴァージョンでした。

真っ暗な舞台の中央に、突然、片手があらわれる。
ライトを浴びた片手だけが、あらわれ、それがやがて両手になり、
ボレロのリズムを刻む腰や、足があらわれ、
ダンサーの顔があらわれ・・・る頃になると、
それまで 「なんだろうこれ」と思いながら観ていたこちらは、もう惹きつけられて、
目が離せなくなる。
そんなバレエです。


これまた名作バレエ漫画「SWAN」の中で、悲劇のダンサー、ルシィが、
クラシック・バレエと現代バレエの、表現の違いに悩み苦しむ主人公・真澄に踊って見せてくれるのも、
この「ボレロ」でした。

一定のリズムを刻んで 同じ旋律を繰り返すラヴェルの「ボレロ」。
旋律が変わらないことから生まれる、独特の緊張感や、
心臓の音と呼応するかのような、地の底から湧きおこるようなリズム、
音の高鳴りとともに大きく、激しくなってゆくダンサーの動き、
そして、ダンサー自身の存在感、生命力、感性!
そういったものが一体になって、観ているものを根底から揺さぶる・・・・

だって、不思議ですよね。
ストーリーや、登場人物に感情移入して、感動するわけじゃない。
そこにあるのは、ただ音楽と、踊りと、ダンサーそのもの。
華美な舞台装置や衣装があるわけでもないのですから。


そこにあるのは、ただ、エネルギー。
音楽の、振付家の、ダンサーの、エネルギーそのもので、
だからこそ、観ている側も、心が揺さぶられるなんていうレベルではなく、
魂が、自分の全存在が揺さぶられてしまう。
なんの感情も湧かなくて、ただ、身体が震えるほど感動する。
そんな作品って、本当に稀有です。
同じ時代に生きて、それを見せてもらえたことに、本当に感謝してしまいます。


シルヴィ・ギエムはほんと、人間じゃない~
と、彼女の足の甲にうっとりしつつ、小さなパソコンの画面から、
ものすごいエネルギーを受け取りました。

今週も、みんなに、楽しいことがたくさんありますように!
by patofsilverbush | 2013-11-25 09:07

日々のあれこれを綴ります


by anne