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彩りを添える

落ち込んでいる私を励ましてくれるのは、
かっこいいヒーローでも ヒロインでもない、
「ちょっと変わった」人たちです。


ショウ・クワイヤに青春をかける?高校生たちを描いた 『glee』 は、
大好きなドラマです。
歌やダンスなど、ショウ的な部分は もちろん大好きなのですが、
登場人物ひとりひとりが、
抱えている悩みを通して自己を見つめていくさまや、
人種・性格・趣味嗜好さまざまなメンバーが、
ぶつかり合いながらも長い時間をかけて、お互いを理解しあい、
愛を深めていく姿をみると、
ああ、これが目指している世界だな・・・と、勇気をもらえます。

中でも大好きなのは、カート。
ゲイである自分、を、しっかり見つめ、認め、誰はばかることなく自分を貫いている、
まっすぐな人です。
カートほど極端に「人と違う」自分を自覚している人は、少ないかもしれないけれど、
みんな多かれ少なかれ、持っているんじゃないかな?
人とは違っているかもしれない自分、や
それをかくしたい気持ちを。

大好きな場面はたくさんあるのですが、
友達のブリトニーに、
「あなたはユニコーンよ」と言われて、カートがとまどう場面は 印象的でした。
「ユニコーンは自分が他の馬とは違うと自覚している、素晴らしい生き物。
だからあなたも、人とは違う自分をもっとアピールして、学年委員長の選挙ポスターを作るべき」
と、選挙に立候補したカートのポスターを、
“ゲイ(である自分)をアピールした”ものにしたほうがいい
というブリトニーに対して、
必要以上にゲイをアピールしたくないと考えるカート。

自分のことは好きだけれど、
いじめられても、そういう自分をかくすことはしないけれど、
ことさら主張しなくたっていいんじゃない?
もっとふつうのポスターにしたいんだ。
・・・もっともな気持ちです。


さまざまな恐怖症に悩まされ、日常生活を「ふつうに」おくることすら困難なMr.モンクが、
難事件を次々と解決していく『名探偵モンク』。
高いところも、汚い場所も、ミルクも怖い、ささいなゆがみもゆるせないほど几帳面で、
自分が決めた銘柄のミネラルウォーターしか飲めず(他のは黴菌が入っているかもしれないし!)、
人と握手した時には必ず除菌ティッシュで手をふくモンクさんも、
自分が変わり者だと自覚しているし、それをかくそうとはしません。

人目を気にせずに自分を貫くということは、何からも自由であるかわり、
かなりの勇気がいることでもあります。
カートもモンクさんも、時には勇気を持ち続けることに、疲れてしまうときもある。
「ユニコーンでいることに疲れたよ」 とカートが弱音を吐けば、
「変人でいることに疲れた」 と、落ち込んだモンクさんが呟くこともあります。

それでも、
もういやんなっちゃったなぁ・・・
と何もかも投げ出したくなる日があっても、
自己を見つめ、認め、いつもありのままの自分でありたいと願うわたしにとっては、
以前に書いた『アグリー・ベティ』のベティを含め、
いつも頼もしい同志であり、味方であり、前向きな勇気をくれる、大好きな人たちなのです。


モンゴメリは「ありのままのその人」を描いた作家でもありますが、
アンの隣人ハリソン氏は、リンド夫人に「変人」だと称されています。
     「たしかにハリソン氏は、他の人とは違っていた。
      人と違っているということが、変わり者の変わり者たる所以なのだ」
同じくモンゴメリの『パットお嬢さん』に登場する「変人」チリタックに初めてあった日に、
パットの妹のレイは、
「変人って、世の中に彩りを添えるわね」
と言います。


「みんなと同じ」を意識してしまう、モノトーンな人たちの中にあって、
世の中に彩りを添える存在である・・・
そんな素敵な表現をされると、
変人でいることも、なかなかいいじゃない?なんて、嬉しく思えたりして、
今日もいろんなことに励まされるのでした。

本当はみんなそれぞれ、素敵な色を持っている。
マイノリティでもかまわない。
それをありのままに出せる、虹のような世界に、なっていくといいなと思います。
by patofsilverbush | 2014-01-29 10:30 |

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