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声に出すこと(第10章・おまけ)

free birdsで『赤毛のアン』を読むときは、来て下さった方に、ご一緒にテキストを読んでいただいています。

テキストと言っても、わたしがワープロでざくっと打った、『赤毛のアン』の簡易版ですが、
細かいことは省略してはいても、
物語の雰囲気、話の流れは感じていただけるのではと思います。
わざわざ本を買うのは、読み切れるかわからないし・・・
と思う方がいらっしゃるかも?と思い、テキストをご用意していますが、
参加して下さる方は
アン大好き!な方や、
おもしろそうだから、買って読んでみたら、おもしろかった!という、素晴らしい方ばかり(笑)。
ありがとうございます。


このテキストを、役を決めて、声に出して、読んでいただいています。


「この場面の登場人物は、アンとマリラとリンド夫人。どの人になってみたいですか?」
「うーん、じゃあ今日はアンにする」
「リンド夫人、読んでみたいかな」

などと言いながら、それぞれの役を決めます。

初めていらっしゃる方に、
「読んでください」とお願いすると、
一瞬
「え」
とびっくりされる方が多いです。

なつかしい国語の授業みたいな印象を受け、ちょっと緊張されるようですが、
もちろん、漢字がちゃんと読めるか 確かめたいわけではありませんのでご安心を(笑)。

その人物になりきって、気持を推察してほしいわけでもなくて、
単純に、
声を出すウォーミングアップのつもりです。


当時の生活の様子や宗教観、風習など、解説したりはするのですが、
この場面、どう思う?自分の生活の中で、こんなことはないかしら?
と思った時に、
気持を声に出す習慣のない方は、なかなか言葉が出ないことも、
あるのではないかしらと思うのです。

上手に説明する必要もないし、いっけん、物語とは関係ないようなんだけれど、
そのとき思い出した・思いついた、
ごく個人的な心のことを、話して下さるための 声を出す前準備は、大切かな。
いきなり全力疾走も マラソンも 白鳥の湖をおどることも できませんからね。


日常の中で、
自分の気持ちを押さえつけてしまったり、
相手にうまく伝わらない、どうせわかってもらえない、と
あきらめて黙ってしまうことも、あったりしますが、
つたなくても、相手に伝えようと言葉にしてみるのも、ときに大切なことです。
察してくれないと相手を責めて、察しのいい人になってもらおうとするより、
伝えようと自分がしてみることの方が、ずっと簡単。


この9章と10章は、アンのドラマチックなセリフが飛び出す、
音読するのがおもしろい章です。

怒りを思いっきりぶつけて怒鳴り散らすセリフ(足を踏みならすパフォーマンス付きです!)。

自分をコーデリアと呼んでくれと、
シェークスピア劇に登場する、お姫様の名前を持ち出したアンらしい、
シェークスピア劇さながらのお詫びのセリフ。

もしご自分で本を読む機会がありましたら、ぜひ、声に出して、
「迫真の演技」で 読んでみてください。楽しいですよ(笑)。



おまけのおまけですが、
アンに謝ってもらったリンド夫人。
「これで礼儀正しくすることを覚えたでしょう、以後、気をつけなさい」
なんてことを言わずに、
「わたしにも悪いところがあったんだからね」
と、こちらも自分の非をさっぱりと認め、アンの無礼も気持よく許してくれます。

子供相手だと、つい、上から目線で「言うことを聞くのが当り前」なんて態度を取ってしまったり、
まして自分のことは棚に上げてしまいがちですが、
リンド夫人の このさっぱり感、見習いたいものだと思いました。
by patofsilverbush | 2014-07-03 09:38 | ferrbirds赤毛のアン

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