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訳というものは

村岡花子訳の『赤毛のアン』に長年 親しんできたので、
どの訳文を読んでいても、なんとなく頭の中で村岡訳を思い浮かべてしまうのですが、
それでも『赤毛のアン』と書いてあれば目を通さずにはいられないマニアの哀しさ(笑)。
そのマニア魂をくすぐる、新しい『赤毛のアン』をネットで注文、
きのう届きました。
包みを開ける手もわくわくと!
なにしろ詩人・岸田衿子さん訳で、安野光雅さん挿絵という豪華さなのですよ!

岸田衿子さんは、女優・岸田今日子さんのお姉さま。
とても素晴らしい詩も大好きなのです。
すでにお亡くなりになられているので、
この本は1969年に刊行された文学全集に収められた衿子さんの訳に、
安野さんが絵をつけられたものです。

本としてはかなりの厚さ、ずしりと重たい『赤毛のアン』。
美しい絵でいっぱいです。
まずは飽かず絵を眺めることから(笑)。
ゆっくりゆっくり、味わいながらこの夏、アンを再読するのが楽しみです。


ところでアン・シリーズの終盤、結婚し、母親となったアンと子供たちの日常を描く
『炉辺荘のアン』。
原題は『Anne of Ingleside』。
わたくし中学のころから、この日本語の“炉辺”という漢字を“ろばた”と読んできたのですが、
村岡花子訳を改定した新しい版では、この漢字に“ろへん”というルビがふってあるのです。

ろへん荘のアン。
うーん・・・。

自分の中で勝手に培われたイメージって、なかなか抜けないものですよね^^;

『赤毛のアン』の最後、アンが呟くブラウニングの詩の一節。
昔の村岡訳では、上田敏さんの名訳が使われており、
子供のころから上田訳でこの詩に慣れ親しんでいたわたしにとっては、
すっと馴染むラストシーンだったのですが、
改訂版では現代風に訳しなおされていて、個人的にはどうもしっくりこないということに。


ひょっとしたら「ろへん」と読むのが正確・正解なのかもしれないけれど、
わたしにとってイングルサイドは、きっと永久に「ろばた荘」でしょう。
アン・ファンの皆さまに伺ってみたい!
あなたのイングルサイドは「ろへん荘」?「ろばた荘」?
ろばた荘は、わたしだけ?






by patofsilverbush | 2018-08-02 09:14 | 本・映画

日々のあれこれを綴ります


by anne